大阪万博の水上ショーが中止になったことから、会場の水質に心配の声が上がりました。
大量の虫と菌の発生源となってしまった大阪万博の人工池。
大阪万博の水上ショー中止から再開まで何があったか、調査しました!
【大阪万博】水上ショー中止でいつ再開?
2025年7月10日、ウォータープラザで実施される水上ショー(昼の『水と空気のシンフォニー』・夜の『アオと夜の虹のパレード』)を再開し、毎日開催することが発表されました!
ウォータープラザの水質について安全・安心を確認したことに加えて、機材の技術的な調整が完了したとのこと。
水上ショー中止はなぜ?
大阪万博の水上ショーの会場であるウォータープラザの水から、レジオネラ属菌が検出されたためです。
指針値の20倍の量が検出されました。
このショーでは噴水から出たウォータープラザの水が、風にあおられると広範囲に降り注ぎます。
実はこのウォータープラザ、2025年6月2日にユスリカの発生源であると発表がありました。
水上ショーも行っているため、費用と期間・環境への影響を考慮したうえで防虫対策は慎重に行う必要があるとしていました。
その矢先のレジオネラ属菌の検出です。
大阪万博の人工池は、課題が山積みとなってしまいました。

以前から大阪万博の人工池の水質には、心配の声が上がっていたようです。
水上ショー再開のために何をした?
万博協会は、水上ショー再開のために配管の清掃などを行いました。
水質改善に向けた対策をとり、保健所と連携しながら水質をモニタリングするとのことです。
水上ショー中止の判断材料となった「生菌PCR法」検査
すぐに結果が出る一方、別の細菌などにも反応する。
検出されたのはレジオネラ属菌ではなかった可能性もあるという。
水上ショー再開の判断材料となった「培養法」検査
5月30日と6月3・7日に採取した海水を5~7日程度培養する検査。
結果は検出可能な最小値を下回っていた。
専門家からも水上ショーで肺炎を引き起こす可能性は極めて低いとの見解が示されたという。
【大阪万博】人工池の水質は大丈夫?
大阪万博の水上ショーが行われている、人工池の水質についてまとめました。
人工池は大阪湾の海水
大阪万博の人工池は、大阪湾の海水をポンプで引き入れたものです。
①大屋根リングの内側にある水辺『ウォーターエリア』
②リングの外側に広がる水辺『つながりの海』
万博史上初めての海に囲まれた人工島ということで、海を通じて世界とつながることを表現しています。
③『静けさの森』にも水盤があります。こちらもレジオネラ属菌が検出されています。
4月、水上ショーにより近くのパビリオンで塩害が出ていると話題になりました。
その話題で初めて海水だと知った人も多かったようです。
下手したら歩いてる人も海水を頭から浴びる可能性があるってコト?
え?海水を撒き散らしてるの?それは嫌だなぁ…真水ならまだしも

「万博の池が汚い」という声も上がっていましたが、この時は海水であることに驚く人が多かった印象です。
浄水や循環はしていない?
この大阪万博の人口池の仕組みについて、正確な情報は公表されていません。
万博協会は「海水を循環させるための管に不具合があり、水質が悪化しやすい状態になっている」として、ポンプの新設を検討すると発表しています。
つまり、循環する装置はあったということのようです。
浄水や循環はできていないのではという声も多く上がっています。
水をしっかりと循環させ濾過すれば、虫が大量に発生するような水質環境にはなりません。
会場の夢洲は孤島という特殊な環境で、インフラ整備も不十分。
利用できる水量も限られており、循環設備が整えられていないのでは?
ゴミの最終処分場である夢洲に溜まった水は、瀬戸内法(瀬戸内海環境保全特別措置法)により薬剤浄化しないと海に放出できない汚水です。
浄水設備は無く、そのままでは海に流すこともできない。
この人工池は入れ替えができない。
レジオネラ属菌は衛生管理が不十分な浴槽の壁面や配管などにつくヌメリ(=バイオフィルム)で増殖します。
このバイオフィルムを発生させないことが大切だそうです。
こまめな掃除、水の換水、消毒の徹底で菌や虫の増殖は抑制できます。